オルカのカナダ

日々思うこと。興味のあること。日本のこと。カナダケベックでの生活のこと。あとアンティークカップや雑貨のこと。

癌サバイバーの母とその母を支える父とバス旅行の話

こんにちは。さくらです!!

ふと先日思っていたこと。

前回実家とスカイプした時、父親がいなかったので珍しいと思って聞いてみると、父はその日バスツアーに一人で参加していたようだ。

ちなみに私の両親は特にアウトドアな人間ではないのだけれど、インドアという訳でもないどこにでもいる普通の年金受給夫婦である。ただ退職して再就職した当時は、あとは悠々自適にのんびり暮らしていければいい。それだけだった。悠々自適と言っても以前から贅沢している訳ではなかったし、それなりに働いていたから普通に暮らしていけると言っていた。家庭菜園もやっているし、案外野菜もとれるし良さそう。

再就職して何年かした頃、母親の癌が見つかった。 

www.mapleheart.net

癌は、母のQOL(クオリティオブブライフ)生活の質を下げてしまった。当時はもし、内臓系のステージ4だったら生還するのは難しかったかもしれないと思っていたし、今も思っている。

母は歯肉以外には転移していなかったから本当に幸運だった。首のリンパに転移していたら、今頃はどうなっていたか分からない。手術も全国で5本の指に入るという先生に手術してもらい、顔のくぼみ(変形)はもちろん目立つけれど、手術痕は目立たなくなった。

そんな状態だから、母は旅行などには行けなくなってしまった。いや行かなくなってしまった。一番の理由は見た目が変わったこと。それ以外は飲食が限られてきて時間もかかってしまうから。父はもともと車の運転は苦手だし方向音痴だし、何より70を超えてからの運転を本人はそこまで望んでいない。今は買い物や病院などの必要な時だけ、通いなれた道だけにしているみたい。

だからそんな父は一人でせっせと申込みをして、3か月に1回くらいバス旅行に行っている。でももちろん周りは夫婦やおばさん女子会が多いらしく、個人客は父ともう一人くらいしか毎回いないらしい。

本当なら病気さえしないで健康だったら、母も一緒にバス旅行に行ったりできたのに。そして一人で参加する父を思うと、涙が止まらなくなった。本当に私も歳をとったからか涙もろくなってしまった。

でも多分私は一人で参加している70過ぎのおじいさんを想像して、妙に可哀想とか寂しそうとか思っている節があるのは確かなの。ごめん。全然一人で楽しんでいる人がいるのにね。

父本人は至って普通だけどきっと寂しいに違いない。そう思うとカナダにいることも申し訳なく思えてくる。日本なら孫も一緒にお出かけも出来るし、家族旅行もいけるでしょ。

そして母は癌自体は完治しており元気。心は落ち込むこともあるみたいだけど、うつ病にはなっていない。それが私にとってすごく救いになっている。

これから姉にもっと負担がかかってくると思うと、どうしていいのか?考えることがよくある。介護のこととか色々ね。でも母はもう今、父に頼り切っているから、母はお父さんより早く死ななくちゃ・・・ってよく言ってる。

こないだ津川雅彦さんも亡くなったけど、奥様が先に亡くなられた時、「先に死んでくれて良かった」と言うのを聞いて、本当にじーんときてしまった。これからあと何回父はバス旅行に行けるか分からないけれど、父は父でどんどん出掛けて楽しい思いをいっぱいして、母に聞かせて欲しいと思っている。もちろんまたカナダにも来て欲しい。

よく、退職したら旅行に行きたいと言う人がいるけれど、退職前行ける時に旅行は沢山行ったらいいと思う。もちろん老後資金を貯めなくちゃだし、子供がいれば教育費もかかる。でも身体がいう事を聞くうちに、もっと夫婦で出掛けること。子供は独立したら、やっぱり見送らなくちゃいけないし、最後は夫婦だから。

そう私は両親を見て、いつも口には出さないけど思ってしまう。埼玉出発のバス旅行で、一人の老人がいたら、私の父かもしれません(笑)おしまい。